生と死を别つ境界の古井戸 - Sound Horizon.mp3

生と死を别つ境界の古井戸 - Sound Horizon.mp3
生と死を别つ境界の古井戸 - Sound Horizon
[00:01.680]怠惰(Tragheit)……...
[00:01.680]怠惰(Tragheit)……
[00:04.270]
[00:11.760]「おや、君も落ちてしまったのかい?
[00:15.540]初対面の筈だが、この奇妙な親近感は、一体何処からやってくるのだろうね。
[00:22.880]まぁいい。君は何故生と死を別つこの境界を超えてしまったのか。
[00:28.540]さぁ、唄ってごらん……」
[00:30.470]
[00:35.060]
[00:36.170]陽が昇り 嗚呼 汗塗れ 炊事洗濯全て 私の仕事
[00:48.800]嗚呼 意地悪な 寡婦(はは)の口癖
[00:54.850]「追い出されたいのかい?この愚図っ!」
[00:58.240]なんて言うけれど――
[01:01.380]私は今日も お父さん(Vati) 頑張っているよ!
[01:08.410]
[01:12.430]陽が落ちて 嗚呼 塵まみれ 炊事洗濯全て 押し付けた
[01:25.080]嗚呼 性悪な 妹の口癖
[01:30.660]
[01:31.490]「言い付けられたいのかい?この愚図っ!」
[01:34.730]なんて言うけれど――
[01:37.940]私は明日も お父さん(Vati) 頑張っているよ!
[01:45.230]「父は舟乗りだったのに、何故か井戸に落ちて死んだらしい。
[01:49.460]だから私は、あまり井戸が好きではない。
[01:51.920]それでも継母(はは)は、容赦などしないのだ……。」
[01:54.470]
[01:54.920]井戸の傍で、糸を紡ぐ、指先はもう……
[02:00.600]嗚呼、擦り切れて緋い血を出して、
[02:04.170]紅く糸巻きを染め上げたから
[02:07.910]洗い流そうと井戸を覗き込んだら、
[02:14.340]水に焦がれる魚のように手から飛び出して、
[02:20.780]その糸巻きは、井戸の底に沈んだ。
[02:27.430]悲恋に嘆く乙女(Loreley)、正にそんな勢いで――
[02:34.150]泣きながら帰った私に容赦なく、継母(はは)は言い放った――
[02:46.000]「この愚図っ!潜ってでも取ってきなっ!じゃなきゃ晩飯は抜きさっ!」(「この愚図っ!」 「取ってきなっ!」 「晩飯は抜きさっ!」)
[02:53.040]道急ぐ背中に、宵闇が迫っていた……
[03:00.870]「どうしよっか、お父さん(Vati)!最悪、そっちに行きます!セイッ!」(3 2 1 0(Drei Zwei Eins Null))
[03:07.000]
[03:08.290]「なるほど、君も中々健やかに悲惨な子だねぇ。
[03:12.850]復讐に迷いがあるのなら、時間をあげよう。
[03:17.260]この教会の古井戸の中で、もうしばし、
[03:21.820]憾みについて考えてみるといい」
[03:26.050]
[03:31.850]目覚めれば綺麗な草原。
[03:38.350]幾千の花が咲き誇る。
[03:44.730]異土へ至る井戸の中で、衝動(Id)を抱いた男(Id)に遇って、彼の指揮で憾み唄った。私は――
[03:57.820]死んじゃったの?天国なの?気の【ceui(セイ)】なの?分からないわ。
[04:04.360]大丈夫!でも私は頑張るよ!お父さん(Vati)、何時だって!
[04:10.480]
[04:10.920]「こまっちゃった。あたしを、ひっぱりだしてぇ。ひっぱりだしてぇ。
[04:17.260]もう、とっくのむかしにやけてるんだよぅ」 「マジでぇ?」
[04:23.680]「こまっちゃった。ぼくを、ゆすぶってぇ。ゆすぶってぇ。
[04:30.200]もう、みんなじゅくしきってるんだよぅ」 「わお!」
[04:37.010]喋るパンの願いを聞いて
[04:39.910]シャベルで全部 掻き出してあげたわ
[04:46.340]
[04:48.500]そして――
[04:49.880]ひとつ残らず 実が落ちるまで 林檎の木を揺らし
[04:55.070]
[04:55.370]その後――
[04:56.540]散らばる林檎を 積み上げるだけの 簡単なお仕事
[05:02.930]「ベース(Base)!」
[05:09.260]「ギター(Gitarre)!」
[05:15.640]「ピアノ(Klavier)!」
[05:22.560]「ありがとうございます(Danke schoen)!」
[05:24.700]
[05:25.070]「元気のいい子だねぇ…」 「キャー!」
[05:29.120]「アハハハハハッ、怖がらなくていいのよ」
[05:33.630]「あっ、貴女は、ひょっとしてあの、お伽話によく出てくる、ホレおばさん!?」
[05:38.940]「まぁ、口の悪い子ねぇ。おばさんじゃなくて、お姉さん、と呼びなさい。」
[05:44.110]
[05:44.950]「形あるモノは、いつか必ず崩れ、
[05:51.770]命あるモノは、いずれ死を迎えるのさ
[05:59.100]これまで、よく頑張ったね。お前は強い娘だね。
[06:09.860]でもこれからは、私のもとで働くなら、きっと幸せになれるわ!」
[06:21.470]「うんっ、私頑張るっ!」
[06:22.690]
[06:23.100]嗚呼 綺麗に舞い散る羽ぶとん 振るうのが新たな私の仕事
[06:35.870]嗚呼 地上に舞い落ちる雪の花 降るのは灼かな私の仕業
[06:48.590]「キミが、もし冬に逢いたくなったら、私に言ってねぇん」
[06:55.930]「あいたっ!」
[06:57.390]「これ!調子に乗るんじゃありません!
[07:00.180]けれどまぁ、あなたも今日まで、陰日向無くよく働いてくれたわ。
[07:05.740]帰郷の願い、特別に叶えてあげましょう。ホレッ!」
[07:10.530]
[07:11.110]大きな門が開くと 黄金(きん)の雨が降ってきて
[07:17.120]あっという間に 全身 覆った……
[07:20.180]
[07:21.450]「それは君の働きに対する報酬だ。
[07:25.280]まぁ、遠慮なく貰っておきたまえ。
[07:28.470]もっとも、君の勤務態度が不真面目だった場合、
[07:32.890]別のものが降ってきていたのかもしれない……」
[07:36.460]
[07:37.140]「キッケリキー!うちの、黄金(きん)のお嬢様のお帰りだよぅ」
[07:41.090]「ただいまぁーっ!」
[07:41.940]
[07:42.460]日が替わり 嗚呼 黄金(きん)塗れ 炊事洗濯全て やらなくて良い!
[07:54.880]嗚呼 低能な 継母(はは)の入れ知恵
[08:01.050]「貴女も貰っておいで《可愛い実子(チビちゃん)》!」「うん、あたい、がんばる…」
[08:04.580]なんて言うけれど――
[08:07.860]やれるものなら どうぞ 頑張っておいで!
[08:13.520]「さぁ、復讐劇の始まりだ……」
[08:16.300]
[08:17.060]「キッケリキー!うちの、バッチィのお嬢様のお帰りだよぅ」「うう…えっくえっく」
[08:21.390]
[08:21.890]日が過ぎて 嗚呼 瀝青(チャン)塗れ
[08:27.910]ほら 怠惰な態度が 貴女の罪よ 自業自得だわ ねぇ――
[08:34.630]これからは貴女も 必死に頑張ってみなよ!
[08:40.260]「やだ!取れない!取れないよ!やだやだやだ取って!取ってよムッティ!」
[08:42.470]「まま、やだ取って取ってよ!やだやだやだ!」「あら、いいじゃない。お似合いよ、チビちゃん!あははははっ!
[08:47.120]「取れない!やだやだ!取ってよ!」「こんな良い子が、どうしてこんな酷い目に!?」
[08:51.590]「やだー!」
[08:54.460]
[09:03.440]「今回は随分とかわいい復讐だったねぇ」
[09:06.890]「アラ、一生瀝青塗レナンテ、
[09:09.970]女ノ子ニトッテハ死ヌヨリ辛イ罰ダワ!アッハハハハ!」
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